こころのプラネット

間違った生き方や考え方が自分を苦しめていた・・・ 不安障害で苦しんだ当事者が出会ったこころの真実。森田療法を中心に、マインドフルネス・仏教心理学などを通して 苦しみの本質に気づき、とらわれのないこころのあり方さぐります。

こころのトリセツ こころの悩み 心理療法 森田療法 認知行動療法

森田療法と認知行動療法

投稿日:2019年10月10日 更新日:

森田療法の基本的な考え方

不安障害の原因はとらわれ

森田療法の特徴は不安障害の発生する原因を「とらわれ」という特有の心理的メカニズムによるものと考えます。

「とらわれ」には、生き方へのとらわれ(よりよく生きたい)、身体へのとらわれ(いつも健康でいたい)、不安や恐怖へのとらわれ(いつも心配なく安心でいたい)、観念へのとらわれ(自分はこうあるべきだ)などさまざまな形で存在しています。
そして、それらが万全でないとだめだと考え不安になります。

とらわれのメカニズム

不安を持ちやすくとらわれやすい性格的な要因をもった人が、あることに不安を抱くと「とらわれのメカニズム」という罠にはまってしまいます。

もともと不安に敏感で執着性が強いので不安を特別視し、そのことばかりに注意が集中します。そうすると不安がますます強くなります。それが症状への「とらわれ」をますます強めます。

その上、自己内省的でまじめな性格のため、その不安を「自然な感情の働き」として受け容れられず、「不安はあってはならない」と思考でコントロールしようとします。
ところが、そうすればそうするほど不安な感情は減るどころか強くなっていきます。

つまり、不安や恐怖といった自然な感情を無理に排除しようとする間違った対処の仕方が症状を引き起こし増大させている原因であるということです。

認知行動療法の基本的な考え方

同じように「感情」を扱う治療法で、最近うつ病や不安障害などを中心に心理療法の主流となってきたのが認知行動療法です。

認知行動療法は1970年代以降急速に広がった新しい心理療法です。治療対象はうつ病・不安障害をはじめ摂食障害、発達障害、パーソナリティ障害など適用が広がっています。

感情は認知に影響を受ける

認知行動療法では、「人間の感情や行動は認知のあり方に影響を受ける」という基本的な考えから来ています。

例えば、外出先のデパートで突然心悸亢進が起こったとします。それはたまたま起こったことであっても、次に同じような場所、似たような状況に遭遇すると、「また心悸亢進が起きるのではないか」「心臓が止まってしまうのではないか」というマイナスの考え(認知)が条件反射的に生じるようになります。これを「自動思考」と呼んでいます。
必ずしも起きるとは限らないのに、起こったことを ”自分なりの解釈” でそう思い込んでしまうのです。

自動思考は考え方のクセが生み出す

「自動思考」というのは、これまでのその人の人生観や人間観に基づいて形成された考えの枠組み(スキーマ)から生まれます。

例えば、「何事も否定的に考える」「ものごとを白か黒かに分けたがる」「~すべきであると偏った信念を持つ」などといういわゆる「考え方のクセ」です。

そして、そんな経験が重なると、街に出かける度に「また起こるんじゃないか」と予期不安が生まれ、その不安がまた悪循環を生じパニックになります。これがパニック障害です。こうなると人はそうした行動を控えるようになり、そのことによって、症状がさらに強化されてしまうことになります。

不安のコントロールモデルと不安の受容モデル

森田療法研究所所長の北西憲二氏は森田療法と認知行動療法の特徴について次のように述べています。

「西欧の自然科学的思想から生まれた精神療法(精神分析療法・認知行動療法など)は、不安の原因を探し出し、それを減らしたり修正したりする、いわば『不安のコントロールモデル』ともいうべき考え方です。

それに対して、森田療法は、東洋の思想を根底に持つ治療法で、悩みの原因を探すよりも、不安や恐怖を自然なものとして受け容れ、日々の生活でできることをこなしていく、いわば『不安の受容モデル』ともいうべき考え方である」(北西2008)。

関心が高まる森田療法

いま、医学の世界でも東洋医学的でホリスティック(全的)な医療の重要性が見直されてきています。また、臨床心理の世界でもマインドフルネスなどの東洋の知が大きな注目を浴びています。森田療法もそうした時代の中で関心が高まっているのです。

-こころのトリセツ, こころの悩み, 心理療法, 森田療法, 認知行動療法
-, ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

ぼくはひとりじゃない

ぼくはまだ胎内にいて 羊水という海に浮かんでいた 羊水は太古の海だ 数十億年も前 海からいのちが生まれた 海はすべてのいのちの源泉だ ぼくは これから長い旅に出る 地球上に生命が誕生してから人類が出現 …

森田療法とは

《森田療法とは》 人間の感情に焦点をあてた治療法の一つが森田療法です。 森田療法は今からおよそ100年前、精神科医森田正馬によって創始された独創的な精神療法です。 森田は感情を正しく理解し、それとある …

「あるがまま」と「自己受容」

《あるがままとは》 森田療法の人間観の根本はひと言でいえば「自然な生き方」です。「もともと私たちの身体と精神の活動は自然の現象である。人為によってこれを左右することはできない」という森田の考え方にその …

治そうと思うと治らない

森田療法の “治る”  治そうと思うと治らない “治そう” と思うと “治らない”、“治そう” と思わなければ ”治る”。 このパラドックス(逆説)ともいうべき言葉を森田療法ではよく耳にします。 その …

悩みをわかちあう~自助グループ~

悩みが孤立感を深める 誰に相談するか 人生の途上にはさまざまな問題が起こります。その都度、私たちは悩み、葛藤し、この困った事態をどうしたら解決できるのかいろいろ模索します。しかし、簡単には答えが出そう …

プロフィール

プロフィール

プロフィール

プロフィール

大学卒業後、放送局にて制作・報道などに従事。その後映像会社設立。
思春期より不安障害に悩む。自助グループで活動するかたわら心理学を学び、臨床心理士・公認心理師の資格取得。

名古屋市在住。2015年より長野県安曇野市で300坪の畑を借り都会と田舎の二拠点生活を始める。家族は妻・子ども3人・母。趣味は野菜づくり・読書・世界辺境旅行など。

 

リンク

お知らせ

お知らせ

現在ありません

PAGE TOP