こころのプラネット

間違った生き方や考え方が自分を苦しめていた・・・ 不安障害で苦しんだ当事者が出会ったこころの真実。森田療法を中心に、マインドフルネス・仏教心理学などを通して 苦しみの本質に気づき、とらわれのないこころのあり方さぐります。

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森田療法とは

投稿日:2019年9月17日 更新日:

森田療法とは

人間の感情に焦点をあてた治療法の一つが森田療法です。
森田療法は今からおよそ100年前、精神科医森田正馬によって創始された独創的な精神療法です。

森田は感情を正しく理解し、それとあるがままにつき合うこと、つまり感情の健康が人として幸せに生きるためにきわめて大切なものと考えました。

治療の対象は不安障害など

森田療法が治療の対象としているのは、主に不安や恐怖などの感情が引き起こす不安障害(神経症)です。具体的には、社交不安障害・パニック障害・強迫性障害・全般性不安障害などがこれに当たります。

最近では、慢性化したうつ病、アトピー性皮膚炎や慢性疼痛などの心身症、PTSD、がん患者のメンタルヘルスなどにも広く応用されています。

死の恐怖と生の欲望

森田療法では、不安障害の根底にある心理は死の恐怖や不安だということを前提としています。人間は誰もが必ず死に直面します。ですから、死を恐怖する感情は人間にとって当たり前の心理です。

同時に死の恐怖の裏には、より良く生きようとする「生の欲望」があります。これも人間誰もが持つ当たり前の心理です。つまり、その二つは表裏一体のものだと森田療法では理解します。

人間の自然な心を肯定

その上で、私たちは “死を恐れないことはできない” し、かと言って“欲望をあきらめることもできない” ことを森田は自分の体験から悟ったのです。

つまり、“死を怖い” と思うのも、“よりよく生きたい” と思うのも人間の自然な心であり、私たちはそれを認めざるを得ないということです。
この人間の自然な心を肯定していくのが、何といっても森田療法の考え方の魅力です。

こころの自然療法

森田の人間観の根本はひと言でいえば「自然な生き方」です。

「もともと私たちの身体と精神の活動は自然の現象である。人為によってこれを左右することはできない」という森田の考え方にその基本があります。それは、人間を自然と対峙させず、人間も自然の一部としてとらえる東洋思想に由来するものです。

森田はその不安障害の根底にある不安や恐怖というものは、誰もが持つ自然な感情であり「内なる自然」であるとして、「あるがまま」に受け容れるこころの姿勢を説きました。
いわば「こころの自然療法」と言ってもいいでしょう。

不安を生み出しているのはとらわれ

その上で森田は、不安を生み出しているのは人間に対する根本的な間違った認識(とらわれ)であるとしました。

とらわれとは「いつも心配なく安心でいたい」、「自分はこうあるべきだ」「こうあってはならない」など、現実を無視したさまざまな観念的な考え方であり、それが不安を生み出しているとしています。

つまり、不自然な生き方ということになります。森田はそのとらわれに気づき、それを自然なものに変えていくことを治療の根本に据えています。それは単なる治療法にとどまらず、生きるための深い気づきや多くのヒントを与えてくれるものです。

不安障害とは

この森田療法との出会いは、私がなぜ不安障害に陥ったのかを教えてくれました。

不安・恐怖という感情は誰でも経験することで特に異常なことではありません。しかし、たまたまその感情に強く「とらわれ」てしまったため日常生活に支障をきたしているのが不安障害の人たちです。

日常生活の様々なことに不安を覚える、対人関係が苦手である、心臓が突然止まったりしないかとパニックになる、何度も手を洗わないと気が済まない、病気ではないかと気になる、など悩みの症状は人によってさまざまです。私の場合は大勢の人の前で話をするのが苦手な対人恐怖でした。

心の機能障害

心の障害で一番多いのがこの不安障害で、日本人の生涯有病率は10%といわれています。不安障害は器質的な病気ではなく、健康な人がふだんから体験するような心や身体に対する感覚や感情を、過剰に感じてしまう結果起きる機能障害といわれています。

不安障害の性格特徴 

それでは、不安障害になる人とならない人は何が違うのでしょうか。

森田では性格要因が重要な要素であるとしています。不安障害で悩む人は不安を感じやすい性格特徴を持っています。

自己内省的でまじめ・責任感が強い・観念的・執着性が強い・心配性・完全主義などです。
そして、さらに負けず嫌い・向上心が強いというのも共通しています。

つまり、弱気と強気の両面を併せ持った性格です。それだけに、弱気な自分を強気な自分が許せず、こころの葛藤を招きやすいのです。
もちろん、性格というのはプラスマイナスの両面があるのでこれは欠点というわけではありません。性格の傾向として「不安を感じやすい」ということです。

私の場合

私の場合は、「男は男らしくなければいけない」「人前では堂々としていなければならない」という観念的な「かくあるべし」の考え方が強く自分を支配していました。現実をきちんと見ることをしないまま観念的な理想主義を追い求めていました。

現実は自分の思い通りになりませんが、観念で作り上げた世界は自分の思うようにできるからです。不安傾向のある人は何ごともスッキリしないと不安なのです。

しかし、それは足が地に着いた考えではないので本当の自信にはなりません。それゆえ人の評価が気になります。しかし、負けず嫌いなのでそれを絶対に人に言えません。それがまた自分を苦しくさせていたことにはまったく気がつきませんでした。

いずれにしろ、そんな時出会った森田療法の考えは、「あるがまま」「事実唯真」などシンプルな言葉の奥に深い人間の真実が説かれていて、自分のこころのつまづきがどうして起きたのかはじめて得心できたのです。

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大学卒業後、放送局にて制作・報道などに従事。その後映像会社設立。
思春期より不安障害に悩む。自助グループで活動するかたわら心理学を学び、臨床心理士・公認心理師の資格取得。

名古屋市在住。2015年より長野県安曇野市で300坪の畑を借り都会と田舎の二拠点生活を始める。家族は妻・子ども3人・母。趣味は野菜づくり・読書・世界辺境旅行など。

 

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