こころのプラネット

間違った生き方や考え方が自分を苦しめていた・・・ 不安障害で苦しんだ当事者が出会ったこころの真実。森田療法を中心に、マインドフルネス・仏教心理学などを通して 苦しみの本質に気づき、とらわれのないこころのあり方さぐります。

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感情には意味がある

投稿日:2019年11月15日 更新日:

イルカ

感情には意味がある

先回は、私たちが感情を理解する上で大事なことの1つ目として「感情はコントロールできるか?」を取り上げました。

その結果、感情はこころの自然現象であり、「コントロールできない」ということが分かりました。
そこで、今回は2つ目として「感情には意味がある」ということを取り上げてみたいと思います。

負の感情の意味

自然に存在するもので意味のないものはありません。不安・恐怖・悲しみ・怒り・妬みなどを一般に負の感情と言います。負の感情にも当然必然性があります。

例えば、不安・恐怖は私たちに「何か危険がある」ことを教えてくれ、それを回避するよう教えてくれます。
悲しみは「失くしたものが自分にとっていかに大切なものだったのか」を気づかせ、以後同じ悲哀を味わうことが無いよう教えてくれます。

怒りは食べ物を得るために戦う必要がある場合には不可欠な感情です。妬みは不公平感に対する感情です。食物が公平に分配されなければ飢え死の危険性があります。妬みはそうした危機感を知らせる大事な感情なのです。

人は意味によって苦しみを乗り越える

人間の生命活動は全て生きるためです。つまり、負の感情にも「生きるため」という意味があるということになります。

人は意味のない苦しみには耐えられません。それに意味を見出すことによってはじめて苦しみを乗り越えることができるのです。また、負の感情があるからこそ喜びや幸せがより生き生きと感じられるのです。

負の感情とのつき合い方を変える

これまで、私たちは負の感情を敵対視し、取り除くべきものとして扱ってきました。私もこの症状・不安を異物視し、これさえなければ自分の思うように生きられるのにと何度思ったかしれません。

しかし、負の感情にも意味があるとなれば、そのつき合い方も変わらざるを得ません。

「生きたい」に焦点を当てる

先ほど、負の感情は私たちが生きるために必要なものであると述べました。そこで森田療法では、負の感情を取り除くはからいをやめてそのままにしておく態度を養うことを目指します。

そして、負の感情と表裏一体となっている「生きたい」という方に焦点を当てます。なぜなら、人間の生命活動は「よりよく生きたい」という「生の欲望」の発露に他ならないからです。

行動には「はずみ」がある

人間は生きていくためその時その時にやらなければいけないことがあります。お腹が空いたら食べ物を手に入れなければいけません。健康になりたいと思えば運動もしなければなりません。

自然反応である感情はコントロールできませんが、自分の意思による行動はコントロールが可能です。

目の前のやれることからやってみる。やれば小さな達成感があり、今度はもっと工夫したくなります。行動にはそうした弾みがあります。

行動の積み重ねが成果を生み、一方で負の感情ばかりに当たっていた焦点が行動に移っていきます。こうしたことによって、「とらわれ」から離れていくことができると教えています。

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大学卒業後、放送局にて制作・報道などに従事。その後映像会社設立。
思春期より不安障害に悩む。自助グループで活動するかたわら心理学を学び、臨床心理士・公認心理師の資格取得。

名古屋市在住。2015年より長野県安曇野市で300坪の畑を借り都会と田舎の二拠点生活を始める。家族は妻・子ども3人・母。趣味は野菜づくり・読書・世界辺境旅行など。

 

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