こころのプラネット

間違った生き方や考え方が自分を苦しめていた・・・ 不安障害で苦しんだ当事者が出会ったこころの真実。森田療法を中心に、マインドフルネス・仏教心理学などを通して 苦しみの本質に気づき、とらわれのないこころのあり方さぐります。

こころ ひとりごと

感情を認識する人工知能

投稿日:2019年12月10日 更新日:

新聞の切り抜きファイルから

私は最近まで30年近く新聞の切り抜きを続けてきました。仕事で何かのヒントになるかと思って続けてきた習慣です。新聞や本などは読んだと思っても結構忘れているもので、読んだ時はインスピレーションを受けても、そのままであれば殆ど忘れていきます。たまに切り抜きを読むと「ああそうだった」と記憶が喚起され、けっこう脳の刺激になります。

今ではパソコンの検索でいくらでも記事を探せるようですが、私の場合は目的のものを探すというよりアイデアを得たいので、切り抜きはそのベースとしてけっこう役に立ちます。

《感情を認識する人工知能AI

今日はその切り抜いた記事の話です。ちょっと古い話ですが、「朝日新聞」(平成31年1月)の文化・文芸欄に「感情振動~ココロの行方~」という5回の連載記事が載りました。

要は感情の話なのですが、最近はさまざまな分野で感情が注目され、それをビジネスに活用しようという動きがあるといいます。

ミュージシャンのライブコンサートやアート作品を見た時の感情を、表情の分析や心電計などで測定してパターン化したり、マーケティングの分野でも消費者の心への訴求が重要と「感動創造」「感動探し」が積極的に行われてきているということです。

この動きの背景にはAIの進歩とビッグデータの分析などから、感情の規則性や基準の解明が進みつつあるからといいます。

表情をデータ化し分析

この記事にちょっと興味をそそられたのでネットや本で調べてみました。アメリカの心理学者P.エクマンは感情と表情の先駆的な研究を行ったことで知られています。20世紀の傑出した心理学者100人に選ばれたほどの人です。

エクマンは人間には1万通りもの表情があると言います。それは「微表情」と呼ばれています。本人の意思に関係なく無意識のうちに一瞬現れる表情で、その多くは0.2秒以内に出て消え、通常の会話では80~90%が見落とされていると言われています。

エクマンはそうした表情の研究から感情を読み取る「表情分析システムFACS」を開発しました。エクマンの研究はアメリカのテレビドラマ「Lie to Me」(日本では「ライ・トゥ・ミー 嘘は真実を語る」というタイトルで放送)で広く知られるようになりました。

これとは別に、アメリカのマサチューセッツ工科大学のメディアラボから独立したAffdex(アフデックス)社が開発した感情認識AIは、リアルタイムに人の顔の筋肉の動きをキャッチし感情を測定します。

世界87か国、700万人の顔、40億通りの表情がデータベースに登録されており、その画像から21種類の表情と7種類の感情に分類し分析を行っているそうです。

産業や教育・医療に応用期待

例えば、新商品のモニター調査では、商品を利用しているときの表情を分析し満足しているか、使いづらいと感じているかなどを判別します。
その他、アプリやゲームなどの満足度、教育での理解度や集中力、医療での患者の心理面の把握なども測定できるとしています。

この感情認識AIは人間の感情は、恐怖・悲しみ・怒り・幸せ・驚き・嫌悪の6つの基本的な感情からなる、という説をもとに開発されていると言われています。

どこまで人の心に迫れるか

しかし、こうした研究に懐疑的な人もいます。人間の感情を理解するには単に「表情」だけでなく、その人に関わるさまざまな要因も関係してくること。人間の脳に備わったムダな情報を省くといった能力をコンピュータが処理するのは難しいこと、などから正しい判断は期待できないという評価です。

そもそも、感情というのは個人の思考・感覚・記憶と密接に絡み合っており、きわめて個人的個別的なものです。果たしてこうしたデータから得られた「感情」がどこまで人のこころに迫ることができるのでしょうか。

いずれにしろ、人の感情までもがパターン化されビジネスの対象になる時代だということです。

《私のおすすめ切り抜き法

ところで、話はまた切り抜きに戻ります。人によって切り抜き方法はいろいろでしょうが私は欲しい記事が載っているページ全面をとっておきます。例えば、文化面の8ページに載った記事を取っておきたい場合は、その8ページ全面をとっておくのです。

ハサミで切り抜く必要はなく、手で折り目に沿ってビリっと切り離せばいいし、ペーパーナイフで切ってもいいです。そして、記事が載っている面を表にして半分に折りそれを残しておくのです。

サイズは揃うし、新聞名・年月日などわざわざ書く必要がない。ほしい記事に囲みの線も書かない。印がなくても小さな囲み記事でも、自分が欲しかった記事は後で見ても必ず分かるものです。

私がこれに行きつくまでにはさまざまな試行錯誤がありました。最初は記事に沿ってハサミで切り抜き、ノートに貼ったりしていました。これは大変です。これはすぐにギブアップしました。

その後は、切り抜いたものを貼らず、分類袋に入れてみたり、記事をコピーしてみたり(A4でサイズが揃うので)。しかし、いずれも手間がかかるし新聞名や日付を書くのも面倒です。目についたらビリっと破いてそのまま保存するのが一番いいのです。

それで結局今の形に行きつきました。今ではたまにしか切り抜かなくなったのですが、この方法は誰でも簡単にできるし、きれいに保存できるのでぜひおすすめしたい方法です。

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プロフィール

石井 勝
大学卒業後、放送局にて制作・報道などに
従事。その後独立。
思春期より不安障害に悩む。自助グループ
で活動するかたわら心理学を学び
臨床心理士・公認心理師の資格取得。
名古屋市在住。2015年より北アルプスの麓
長野県安曇野市で300坪の畑を借り
都会と田舎の二拠点生活を始める。
家族は妻・子ども3人。
趣味は野菜づくり・読書・世界辺境旅行等

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